鬼と方位の関係

節分の時の掛け声といえば「鬼は外、福は内!」では、その「鬼」とは何なのでしょうか。
一説には「陰(おぬ)」を語源としたと言われています。陰とは「邪気」のことで、目には見えないけれども人を脅かす存在です。
そんな鬼が住む方角が北東=丑寅の方位です。ですから、鬼は牛のような角に、虎のパンツを履いている姿にイメージされているのです。
この丑寅の方角を「鬼門」と呼び、古くから警戒すべき方角とされてきました。例えば平城京では東大寺、平安京では赤山禅寺や延暦寺、江戸城では神田明神や寛永寺、松山城では松山神社など、拠点の鬼門方向には、ご守護して頂くために神社仏閣を置いてあります。
また、鬼退治といえば桃太郎ですが、お供の「犬・猿・雉」は鬼門の反対の西方位を表していて、そこから選ばれたと言われています。
鬼門は家相でもよく注意されます。私が荒行に入った時に、九星の講師から『家の中心から見て、北東(鬼門)と南西(裏鬼門)の部屋は、常に清浄であることが大切』と教わりました。
他にも江戸三大祭りは、鬼門鎮護のためのお祭りであるとか、「鬼」を元とした文化風習や街並みは
たくさんあって、どれも自然に溶け込んでいます。