八正道

前回の四諦の続きです。四諦の最後「道諦」である「苦を苦でなくする(煩悩執着を正す)八つの実践方法」の内容が、この八正道です。

正見(正しい見方)
「自己中心的な見方や、偏見をもたない。第三者の立場で物事を見る」
正思惟(正しい考え方)
「自己本位に偏らない。むさぼる心、怒りの心、我を押し通す心を捨てて正しく思う」
正語(正しいことば)
「嘘・二枚舌・悪口・出任せをしない。場に適した言葉遣いをする」
正業(正しい行い)
「殺生・盗み・邪淫は行わない、周囲や社会の調和を乱す行動をしない。清浄な行いをする」
正命(正しい生活・仕事)
「人の迷惑になる仕事や、世の中の為にならない仕事はしない。衣食住の生活必需品を正しく求める、規則正しい生活」
正精進(正しい努力)
「怠りや脇道にそれない。目標に沿った一途な努力をする、涅槃を求める修行をする」
正念(正しいおもい)
「自己本位による分別をしない。ものごとの真実を見極め、常に正しい方向に心を向け続ける」
正定(正しい心の統一)
「決心が外的要因や変化に迷わされない。安定した精神」
※上記は簡潔にまとめた一例です

この「正しい」というのは、一般社会のそれではなく、「仏の意に沿っている」ということ。
この八つで、一番大切なのが一番最初の「正見」です。「正見」できれば「正思惟」でき、それによって「正語」「正業」‥と続いていくのですが、やはり人はそれぞれの人生経験や感情などで、仏さまと同じように「正しく見る」ことはなかなかできません。ですから正見は「正しくものを見ることが難しいと知ることと、自らの見方を常に改めていくこと」なのです。