「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんて句もありますが、皆さまは幽霊を見たことがありますでしょうか?
幽霊に関しては宗派でも違いがあり、基本的に浄土系や禅宗系では「幽霊否定派」になるようです。
日蓮宗や真言宗はわりと「幽霊肯定派」のようです。もちろんお坊さんによっても違うでしょうが…
実際私も「見たこと」はないので、昔から幽霊なんているの?って感じでしたが、僧侶になってから信じざるを得ない出来事をいくつも経験しています。
また、祖母は所謂「見える人」でしたので、色々な霊障に苦しむ人を救ってきました。
すべての幽霊が人に悪さをするわけではないのですが、やはり何らかの理由があってその人を頼り、その影響で異変が起こることがあります。
そういった際は、仏前に向かい、御題目を唱えて、その対象を正しいところへと送ってあげることが大切です。
なぜこの話題を出したかというと「葬式はなんのためにするのか」という疑問の答えの一つを出すためです。
遺族の気持ちの整理としても式典は大事ですが、やはり亡くなって霊(魂)となった人が、速やかに浄土に向かって下さるようにお勤めすることが、葬式の意義であり原点だと思います。
霊(魂)となった方に届くのは、祈りのみです。
先輩Hさんの話です。
Hさんが三十五日の修行道場に指導者として入っている時でした。
修行をしていた方の婚約者が、交通事故にあって意識不明の重体と連絡が入りました。
すぐにでも修行を止めて会いに行こうとする彼を押さえて、Hさんは修行の全行程を変えて、その日から三日三晩、彼女が助かるように修行僧全員で御題目を唱えて祈ったそうです。
結果的に彼女は一命を取り留めました。
そして後日このような話をしたそうです。
「真っ暗な中を漂っていました。すると大勢の御題目の声が聞こえてきて、その声のする方へ向かっていくと、だんだん明るくなって目が覚めました」
あの時のお題目によって彼女は生きさせてもらったと、泣きながら感謝をされたそうです。
そして十人の健康な人に、Aグループの患者さんの名前を伝えて回復を祈ってもらいます。
Bグループの患者さんには何もしません。ちなみにAグループの患者さんは祈られてることは知りません。その結果はというと‥
祈ってもらったAグループの患者さんは、あきらかに回復率が高かったのです。何回実験しても、場所を変えても、同じ結果になりました。
そのメカニズムは解明されていませんが、祈りがもたらす効果が証明された事例です。
法蓮法師は毎朝必ず自我偈を唱えておられるから、口から金色の文字を出されています。
この文字の数は五百十字です。
この一つ一つの文字の輝きは、日輪(太陽)となり、さらには釈迦如来となり、大いなる光を放って地獄から天界まで照らして、どこであろうとも、亡くなられた聖霊のおられる所まで尋ねて行き
「私を誰と思われますか。私はあなたの子息、法蓮が毎朝唱えている法華経の自我偈の文字です。この文字はあなたの眼となり、耳となり、足となり、手ともなるのです」
と丁寧に語るでしょう。
その時その聖霊は
「私の子息法蓮は、もはや単なる我が子ではない、悟りへ導いてくれた師匠であり恩人です」と
娑婆世界に向かって手を合わせ拝むことでしょう。
これこそ本当の孝養なのです。